旅は所詮「遊び」…ではないはず。旅でしか見られない世界は存在する

最近はかなり減りましたが、世界中をバックパックで旅しているというと、楽しそうでいいねと、皮肉っぽく言われることが多くありました。

そういう言葉の背景には、「社会人たるもの、仕事をしてナンボ、旅は所詮旅に過ぎない」という、ある種の蔑んだ見方が含まれている場合があると思います。

果たしてそうなのでしょうか?

仕事(労働)>旅?

「働く」ことに対して偏った高いプライドを持っている社会人、特に勤務歴が長くて職位も高い人は、遊びに労働より高い価値を認めようとしない傾向があると思います。

彼らのロジックを考えてみると、

  • 1.旅は所詮遊びにすぎない。
  • 2.仕事(労働)は遊びより尊いものである。
  • 3.したがって仕事(労働)>旅である。
このように演繹的な三段論法が成り立つから、仕事のほうが尊い、ということになるのではないかなと思います。

本当にこれらは正しいのですかね。

今ではノマド的な働き方が広がりつつあり、必ずしも旅と仕事は区別されるべきものでもなくなっています。

しかし、ここでは敢えて「仕事」を、たまにスーツを着て出張することで外の世界を見る機会があるような、古来のワークスタイルと定義して考えてみます。

旅と仕事に優劣はないはず

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旅でしか見られない世界というものは存在します。

一方で、旅では一般的に見ることのできない一面もあります。

逆も然りで、仕事でしか見られない世界は確実に存在しますが、仕事では絶対に見ることのできない一面もあります。

よって明確に優劣を付けられるものではない、というのが個人的な意見です。

旅>仕事、とまでは旅好きの僕も言えませんが(言いたいところではあるけど)、仕事>旅とも一概には言えないと思っています。

車の両輪みたいなもので、両方がバランス良く存在するのが理想的ではないかと。

旅を通してこそ見える世界、旅では見ることのできない世界

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たとえばこの写真は、イランのゲストハウスで知り合った若者の集団と、Lonely Planetにすら載っていない謎の郊外の村へ行ってフィーバーした時のものです。

これはほぼ確実に、旅でしか見られない世界です。

仕事で出張しているのに、目的もなく、何があるか分からない謎の場所へ行くなど有り得ないし、そもそも安全面から却下されますw

一方で、ただバックパックを担いで歩いているだけで全てがわかったような気になるのも違うと思います。

深く考察するなら、ビジネスの視点は不可欠であるということは否定のしようがありません。

旅の最中に出会えばニコニコして素晴らしい人でも、一緒に仕事をしたら全然違って見えるなんてことは普通にあります。

一応、海外で悪戦苦闘しながら働いていますので、この点はプライドがあります。

僕の場合は、海外に住んで働きながら、年に2〜3回、海外をバックパッカーとして回る生活なので、両方の良さを見ています。

言い換えると、どちらにも良さがあること、そして限界があることを、実感を伴って知っています。

だからこそ、旅と仕事に妙な優劣を付けることはしたくないと思っています。

仕事では見ることのできない世界

旅で世界を見るという入口を経ず、サラリーマンとして仕事の目的のみで海外を回り続けていると、このような視点は得られにくいかもしれないと思います。

バックパッカーにとっては、全ての旅程を自分で作り上げるのは当たり前ですが、そもそも、仕事ではそのようなことは少ないでしょう。

飛行機やホテルのアレンジ、取引先とのセッティングなど、大抵は他の誰かがやってくれます。

高い職位になれば部下に任せられるでしょう。

たとえ若い人でも、序列の上位に位置する大企業に所属していれば、庶務の女性に細かい仕事を放り投げるようなことも可能かもしれません(僕はそういうことはしませんが)。

いざ出張すれば、ホテルも数万円する五つ星ホテル、移動はドライバー付き社用車なんてことも珍しくありません。

もちろん、それは仕事に集中してもらうための配慮であるし、快適に過ごせるのは間違いありません。

しかし、出発地から目的地まで車に乗って直接移動し、仕事が終わったらホテルに閉じこもっているような生活では、その国のリアルな実態が全て見えているとは絶対に言えません。

これは、海外に住んで働きながら、海外をバックパッカーで回る両方をリアルタイムで経験している者として、確信を持って言えることです。

旅の経験は仕事に直結して役立つ

と言いつつ、僕は社会人であり、かつ海外で働いているので、仕事というフィルターから世界を見ることも当然否定はしません。仕事でなければ見えてこない世界というものは確かに存在します。

しかしながら、海外と接点を持つ仕事がしたい、あるいは海外に住んで働きたいと思っても、その希望が通らないということはよくあります。

また、海外で働くのは単なる憧れのような気持ちだけでは長続きしません。いろいろと大変なことはあり、自分自身のスペックを高めておかないといけません。

じゃあどうすれば良いのか?と考えたとき、僕は、世界を独力で旅する経験が必ず役に立つはずだと思っています。

たとえば、知っている人が誰もいない場所で、左右を初対面の外国人に囲まれ、そこで巧みにコミュニケーションを取る。

これは世界を旅慣れているバックパッカーなら特に難しいことではないですが、世間一般の誰もが容易にできることではないと思います。

それが全てではないけれど、そんな経験を積んでいる人と全くの無経験者であれば、前者のほうが世界に出て活躍できる可能性が高いのは、想像できるはずです。

少なくとも僕の場合は、旅で得た全ての経験が、いま、海外で働いていて日々役立っていると断言できます。

まとめ

あくまでも個人的な考えですが、旅と仕事に優劣関係はないと思っています。

旅でしか見られない世界、仕事でしか見られない世界、どちらもあります。

しかし、旅で得られた経験は自分自身の価値を高め、ひいては仕事で高いパフォーマンスを出す能力に直結できる可能性があります。

旅なんて所詮「遊び」だから…と言わずに、まずは旅を通じて世界を見ることで、先が開けることがあると思って、僕は旅をしています。